マッサージのお兄さんと個室で施術
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新卒で入社した会社にも慣れた20半ばの頃でした。
金融系の事務職で、毎日忙しく神経の使う仕事をしていたため2年間ほど毎月1回は一人暮らしのマンションの近くにあるもみほぐしのお店に通っていました。
1回60分4,000円ほどの手ごろな値段と、明るく清潔感のあるお店、確実な施術が決め手で凝りをほぐしてもらっていました。
それに、通う理由は担当してくれる店員さんにもありました。
初めてお店を訪れた時、施術後にサービスのお冷を飲んでいた時
「いかがでしたか」
と担当のお兄さんが声をかけてくれ、癒されたことを伝えると継続すると効果はあるのでまたいらしてください、と名刺を渡してもらったのです。
「あっ……。」
名刺を受け取ろうとする際、思わず小さく声を上げたのは、お兄さんが名刺を裏向けにし、そこに個人用のLI〇EのIDが書いてあったから。
「またいらしてくださいね」
あえて言葉にしないお兄さんから、気恥ずかしくて目を合わせられないまま名刺を黙って受け取り、連絡をしたらどうなっちゃうんだろう、そんな不安から連絡を入れないまま毎月お店には通い
「担当さん」と「客」のままでした。
お兄さんからたまに施術中に
「近くの百貨店で北海道の物産展があるよ。行ってみたいね。」
「お酒は好き?いつか飲んでみたいね。」
と様子を伺われても中途半端にのらりくらりと交わしてお茶を濁していました。
ですが、お店に通っている2年間で彼氏ができ、そして別れた時でした。
20半ばで婚約も考えていた年齢で、別れに対し自暴自棄になっていました。
彼とスキンシップがなくなり、誘っても断られ、女性としての自信がなくなっていたことも別れた理由の1つです。
落ち込み、自信を喪失し、荒れた心の中で頭の片隅にお兄さんがちらつきます。
スマホを開くと、アプリ経由でお店から整体コースのクーポンが届いていました。
お店はカーテンで仕切られたベッドが3台と、個室が2部屋あります。
オイルマッサージと整体のコースは個室で施術するとお兄さんから聞いたことがあり、私はお兄さんを指名し整体のコースを予約していました。
「お久しぶりですね。今日はいつものもみほぐしのコースじゃなくて、整体でしたね。個室にお通しします。」
「お願いします。クーポンありがとうございました。」
個室に通され、用意された施術着に着替えながら、私の胸は高揚していました。
「失礼します。お着替え終わりましたか?」
「はい。大丈夫です。」
ドアのノックの後にお兄さんが個室に入り、いつものようにうつ伏せから施術が始まり、背中全体を軽く押した後にいつもどおり首、肩、肩甲骨、背中と凝りをほぐされていきました。
「あの……なんか……少しグラマーになりました?」
「えぇ、太りました?」
「いや、そういう意味ではないんですけれど……」
背中や腰、お尻と解していくうちにお兄さんから戸惑ったような気配が見えた。
それもそうです。
私はブラジャーをつけずカップ付きのキャミソールで、Tバックを履いてきました。
お兄さんが背中を触るとき、きっとブラジャーのホック部分が当たらなかったでしょう。
お兄さんがお尻をほぐすとき、きっと下着のラインがなくて施術着越しにお尻を揉みしだく形になったでしょう。
施術する側からすれば、まるで下着を上下ともにつけていないような違和感があったと思います。
「今回の予約は前回と時間が空きましたよね。」
「うん……ちょっと癒されたくて……」
少しだけ甘えたように言うと、お尻をほぐしながら片方の手が私の手に重なり、そのまま抵抗もせず、次第に指が絡まりましたがごく自然でした。
別れた彼氏と手をつなごうとすると、手を振りほどかれたことが何回もあります。
人の体温が恋しいと思ったとき、恋しいと思う瞬間に体温のあたたかさを感じられる喜びは久しぶりでした。
「なにかお疲れの理由でもあったんですか?」
「彼氏と別れちゃって。」
ええ、そうなの。
つらかったね。
と耳障りの言い慰めをもらい、仰向けになってと呼びかけられ体勢を変える。
「どこか凝っている場所はあります?」
仰向けになった時に毎回聞かれるマニュアルに対し
「鎖骨」
と応えると、鎖骨下のリンパを流すため手を滑らせてもらっていました。
けど、前傾で鎖骨を触るお兄さんと、仰向けの私の顔の距離は近くなります。
「あの、ちょっと……ちょっといいですか。」
お兄さんの掠れた声に反応する前に、私はベッドに寝たまま抱きしめられていました。
決定的に
「超えた」
瞬間に胸が高まり、私も応えるように背中に手を回しました。
そのままお互いの体温を確かめ合っていると、引き寄せられて上体を起こす形になり、お兄さんがマスクを外した後に私のマスクを指さしました。
きっとマスクを下ろせという事なのでしょう。
私の意志で。
自分で下ろすとすぐに唇が合わさり、吐息がかかり、急かすように舌が入ってきて口の中がまさぐられました。
「んぅ……」
舌の後はお兄さんが指を二本口に入れてきました。
表情がとろんとしていることが自分でわかります。
男性器に見立てるように、お兄さんの想像力が掻き立てられるように咥え、しゃぶり、舐りました。
私は私の決定的な瞬間を見逃さなくてほしくて、目ざとく見つけてもらいたくて、隙をつかれた後はためらわずに強引に私の欲望やエゴに付け入って欲しかったのです。
そして、お兄さんは私の思った通りズルくてめざとい人でした。
「あれ、無いな……。」
私の首に唇を落としながら、背中をまさぐりホックを外そうとしたお兄さんが助けを求めるようにつぶやいたとき
「ないよ。わざとだよ。」
とわざと耳元でいうと、施術着ごとキャミソールをたくしあげ胸にむしゃぶりついてきます。
「はあっ……んんっ……っ……。」
むしゃぶりつかれる勢いで押し倒され、個室といえど防音性は低いので声をあげないように必死で抑え、抑えきれない荒い吐息をごまかすように咳ばらいをします。
胸を揉みしだかれ、いつもの施術と違いほぐす動きではなく形や弾力を確かめる動きに、乳輪をなぞるような舌先の動きに、乳首を吸われる刺激に、どうしようもなく体がびくびくと反応します。
体の動きを抑えようとすると声が抑えきれないため、それに、私が感じていることを、抵抗できないことを、望んでいることをお兄さんに言葉以外で伝えたかったからです。
「やらしい。」
顔を上げたお兄さんの瞳も濡れたように潤んでおり、下着越しにぬるぬると湿り気のあるパンツをなぞられました。
Tバックはクロッチ部分の面積も狭いので、ほぼ直接触られているようなものです。
「そこ、もう、すごい……いっぱい……」
小声でたくさん濡れていることを伝えると、下着の中に手を入れられて確かめるように下から上へと割れ目をなぞられ、溢れる愛液をすくって敏感な部分をこねくり回されます。
ぬるぬると濡れた敏感な部分は指でなぶられるとたまらなくなり、ねだるように腰がくねります。
後に引けない。
もっとこうして感じていたい。
店の中でやってはいけない事をしている背徳感、見慣れたお兄さんの初めて見る表情に触り方に興奮しすでに抵抗もできなくなっていましたし、胸の奥で渦巻く
「こうなりたかった」
という本心に抗えず媚びてすらいる反応しかできません。
「んぅ……!……!……!」
指が中に入ってきて、決定的な快楽に必死で声を抑えます。
ほかに店員や客がいることは分かっているので、何がこの個室で起こっているか悟られては決していけません。
くち、くちと水音がするのがいやらしく、これがまた焦りや背徳感を掻き立てられます。
快楽や背徳感や欲望に掻き立てられ、悟られてはいけない、いつからこうしたかったんだろうと自分のいやらしさに葛藤するたびに快楽は増し、達したい、この人の体で快楽に屈したいと頭の中が支配されます。
「ん、ん、はぁ……っ…!!……んっ……」
少し奥に入って指を曲げられた好きなところを優しく擦られ、咳払いで声をごまかしながら腰が反り絶頂に達しました。
恍惚としてぼうっとし、体が火照ったまま、まだ不完全燃焼で決定的な快楽をどこかで望んだまま息を整えていると、時間が終わるアラームが鳴りました。
「お冷と白湯、どちらがよかったですか。」
アラームで我に返ったようなお兄さんが事務的に聞き、お冷と応えると、ベッドに腰掛けるように言われました。
アラームが鳴った後は座ったまま最後に5分ほど肩を揉んで施術終了です。
肩を揉み終わったお兄さんが、お冷お持ちするので個室の外でお待ちくださいと声をかけ、最後に肩を引き寄せて
「また連絡してもいい?」
と私に耳打ちするのでした。
頭の中が混乱したままお冷を飲み、霞がかったような心持でその日は帰宅しました。
人恋しさに飢えた私にとって刺激は強く、けれど満足しきるには物足りず、家に帰ったあとはすぐさま思い出して自分を慰め、お店であげられなかった嬌声を出してお兄さんの名前を呼んで何度も達しました。
そして、仕事が終わったであろうその日の夜遅く、ずっとトーク履歴のなかったお兄さんからメッセージを受信しました。
開業して自分でサロンを持っており、オイルマッサージを体験してみないか、そういう内容でした。